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洗剤は何を使っていますか?
タイトルを見て、何を言っているのかと思われたかもしれませんが、
テレビを見ながら広告について考えていました。
洗剤に関し、
「うちはアリエールです。」
「アリエール成分改正酵素の働きは他と違うんですよ。特に粉末が他社製品と違うので使っています。さすがP&G」
といったように会社まで含めその製品特徴を知っている人、そして違いを認識している人は少ないです。
また対称的に
キャノン一眼レフカメラを使っている人に
「それはどこのカメラですか?」
「どんなレンズ使用していますか?」
と聴いて、
「いやー、どこかわからないんだけど、なんかお店にあったから買っちゃったんだよね」
「レンズってどれがいいかわからないからとりあえず、なんでもいいやって一個の使っているだけです」
こういった人にはなかなか会ったことがありません。
自身の使っているものの特徴のみならず、
競合他社の情報まで知っている人が多いです。
しかし、どちらもテレビで広告CMを流しています。
もちろん、CANONがスポンサーしている番組は広告CMを流しますし、
洗剤も主婦をターゲットとするので、お昼時に行うことがおおいです。
少し考えただけでもターゲットも提供する情報もざっくり同じなのに流しています。
車も保険も広告CMをしています。
車もまた買う前にはよく検討し、競合他社の情報まで仕入れる人も多いです。
比較し、慎重に検討するのです。
一方保険も特に生命保険の意思決定に関しては、
家のローンに匹敵するくらいの大きな支出になりますが
細部まで検討し決めている方はあまり見たことがありません。
ブランドの意識は何によって醸成されるのか
これらの違いに関して自分なりに思い立ったことを書いていきます。
まず、「高いもの」だから慎重に検討するのでしょうか。
「購入後使用可能期間が長いから」検討するのでしょうか。
「趣味とつながっているから」検討するのでしょうか。
価格だとした際、その情報量は価格に比例するか。
⇒結論、No
人生最大の買い物の家を購入する際、
もしくは保険に関してそこまで買った理由を語れる人が
車を買った人よりも語れている人を見たことがありません。
人は結構大きな買い物を適当にしてしまうんですね。
広告が効く商材は消費者・購入者が情報弱者のもの
不動産や保険などはみなさんあまり知らないのに「なんとなくよさそう」という理由で購入します。
つまりここに関しての広告効果は莫大、多額な広告費及び人件費を投入する不動産業界。ここは大きな広告レバレッジポイントでしょう。
広告がレバレッジ効く商売は、オンラインで顧客を購買へ進めることができる
不動産などの実物をみないと購入できないものは難しいですが、
広告の影響力が強い業界は営業力をオンラインに注力するだけで大幅な経費削減ができるのではないかと思います。
カスタマージャーニーを研究し、アプローチするポイントを明確化したら
営業マンよりも
Webとメールで営業8-9割
どうしてもオンラインで埋まらない一部を営業マンで行うだけでビジネスができたりします。
同じく命保険に関しても人はWebのみで簡潔ができてしまう、そのためネットでの生命保険というのは今後すべての保険会社の主流となり営業にかけていた人件費はすべてAIへの投資へと変わっていくでしょう。
今、保険営業をしている人は確実に職を失います。銀行員のつぎは保険営業です。金融業界は大幅再編することとなるでしょう。
「購入後使用期間が長いから検討するのか」
広告やブランドの影響に関して別の側面からも見ておきましょう。
購入後使用期間が長いとなると、「長く使うものだから」とじっくりと検討するかもしれません。そして使用期間が長いものは確かに値段も高いです。
法定耐用年数を元に使用期間を考えてみよう。
木造の自宅⇒22年
鉄筋鉄骨コンクリのマンション⇒47年
自家用車⇒4年
結論 使用期間に比例しない
木造の家を検討する人が鉄筋鉄骨のマンションの2倍検討に時間をかけることを見たことはありません。
車に関しても家の5分の1程度しか時間、情報レベルで買うのが必ず当てはまるわけでもない。
例えば、木造の家はマンションに比べ市場での流動性が低いからより慎重に検討するのか。
しかし、流動性や出口として売却があると考える人であれば、
木造一戸建ての資産の減少額はおそらく許容できないレベルなので、
購入する人がいなくてもおかしくないがそういうわけではない。
しかしその因果関係がゼロというわけでもない。
「趣味だから時間をかけるのか」
趣味に近いもの、趣味そのものになるものは時間をかけ、情報収集をするのでしょうか。
趣味であれば日常的に情報を取りに行きます。
カメラであれば、趣味の人は触れない日はないでしょう。
車やバイクもほぼ毎日触れるでしょう。
家もインテリアなどが趣味であれば時間をかけ、
比較、分析をしより高い情報レベルを提供しているところに関し、
評価をし購入するでしょう。
そして人に紹介、
長い目で見たらリピーターとしてライフタイムバリューをあげることになるでしょう。
「洗剤は欲しいから買うのではなく必要だから買う」
「価格が小さく、趣味ではない。ゆえに突発的な偶然や価格で意思決定がされる。」
⇒ゆえに広告CMが大きな効果がある。ここに大量の広告費が発生する。
住宅などはライフイベントに合わせて購入することが多い。
⇒ライフイベントにあわせて情報提供をし、集中的にWeb及Face to faceで営業をかけるのが効果的
ウェブ施策メインはこれからも進む
カメラ、車などを趣味で買う人
⇒趣味ゆえに情報がとにかく欲しい。いろんな角度から情報提供をすれば自発的に調べ、購入までアクションをとる。つまり、有力な情報を配信し続けることが販売活動のメインとなる。ブランド力を維持するために写真コンテスト、車の展示会というのは引き続き行われていくことは大事。Webのみで簡潔することは困難。
また情報を持つ人同士をつなげていくこともブランディング、ユーザーロイヤルティ及び拡散力を持たせるために肝要である。
最後に
自分自身が参入できるとしたら、
「選択的にターゲットを決め、そこに有力な情報の提供」
という形で広告をする。
これが少ない手間で利益の高いビジネスになるのは間違いありません。
広告を投入してもすぐに浮気をされてしまう、洗剤(一般消費財)を資金力のない素人が売り儲けるって、難しいんだなぁ。