【整体・リラクサロン経営者/集客コンサル向け】実録ホットペッパービューティ費用対効果検証[66万円を支払う前に知りたかった内容を生データと共に記事化]

【整体・リラクサロン経営者/集客コンサル向け】実録ホットペッパービューティ費用対効果検証[66万円を支払う前に知りたかった内容を生データと共に記事化]

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ホットペッパービューティというメガ媒体

ご存知、ホットペッパービューティというメガ媒体があります。

ヘアサロン 41,966店 年間ネット予約件数 6246万件
リラク・エステ 47830店 年間ネット予約数 3930万件
ホットペッパービュー会員数 2464万人
参考:https://beauty.hotpepper.jp/doc/keisai/keisai.html

これは「美容院」などの経営者は必須で払っていないと経営ができないと言われるほど、大きな存在となっています。その現状を「リクルート税」と揶揄されるほど、インフラとなりつつあるほどの圧倒的な媒体と言えます。

現状はその媒体の力から、ホットペッパービューティ内での掲載して差別化のコツなどで大きく経営状態に影響するため、実際にそれに特化したセミナーをするコンサルタントも多く存在する程です。

リラクジャンルにおけるホットペッパービューティ

それでは、いわゆる「リラク」のジャンルはどうでしょう。

自身が投資の意思決定をする際に、いくつもネット上で情報をあたっても、書籍でも見つけることができませんでした。

見つかったのは「情報欲しければ(うさんくさい)コンサルタントにお問合せ」みたいなものしか出てこなかったため、実際投資をするという際に「これをコンテンツ化する」という意図をもって契約をしてみました。

ホットペッパービューティは通常掲載するとなると、

「ライトSプラン 月額55000円x12か月 =総額660,000円の広告費」

もしくは

「ライトSプラン 月額66000×6か月 =総額396,000円の広告費」

こちらがかかってきます。

他にも「EPRP」というプランがあり月額25,000円(税込27,500円)の掲載のもありますが、ホットペッパービューティのメインの導線となるクーポンが3つしか掲載ができないのですでに知名度がある程度あるところでないと、新規で店舗を立ち上げたばかりでの掲載には向きません。(実際に営業担当によるところもありますが、掲載自体がライトSプラン以上の掲載をしたところでないと受けないところもあります) 理由としては実績データでも月の送客数が営業の持っているデータ(おそらく少しいじられているもの)で2件程度の送客だったからです。(ホットペッパービューティにおけるマーケティング的要素としてのクーポンの重要性は本編で触れます。EPRPプランは過去は月額1万や2万でやっていたこともあるようですが、最新の価格は2.5万円となります)

一方で「ライトSプラン」は”営業的には”月10-15件程度は最低でも送客が可能ということでしたが、実際にはどうだったのか。

年間のリアルな数値を掲載の上、費用対効果を検証しています。

 

こういう方は必読!!

すごく限定的な人に価値がある内容となっています。なので購入前に自分が該当しているか、ぜひ確認ください。

<このような方向け>

■ 一人でリラクサロンを経営していて「集客」に悩みがある

■ 新規でサロンをオープンするがホットペッパービューティに掲載をするか迷っている

■投資を間違えたら廃業になる恐れがある経営者

■クライアントの広告運用予算を最適化したい集客コンサル

<このような情報を書いています>

■集客想定数と実際の乖離の程度

■営業の言う年間予約件数は当てにならない

■ ホットペッパービューティのリラクでの集客力がどの程度か知りたい

■ そもそも広告の相場感や投資対効果の検証の仕方がわからない

■ 顧客一人当たりの獲得単価はどの程度か

■ 最終的なROI(投資対効果)はどうだったのか

■ 1年契約をしてやめるときに顧客に迷惑はかかる? 実際のオペレーションは?

※データとしては「新宿・新大久保エリア」の生の情報が掲載されたものになります。

※※実際に生データ(個人情報は特定できないもの)を出しています

※※※掲載期間は2019年3月-2020年2月

 

以下ホットペッパービューはHPBと略します。

投資をするにあたり見るべき指標

広告というのは「投下した費用以上の売上を上げる」ということを目的とした「投資」です。

ROIなどの指標もあり、細かい数字も触れますが根本立ち返ると「お金出したら儲かりますか?」というこの一言に尽きます。

もちろん、「広告により認知を上げてPR効果」「ブランディング」「顧客のUX」などももちろん検討する価値はありますが、広告に関しての効果測定の一番重要な指標は「投下したお金以上に儲かるか」この一言に尽きます。

「儲かるか」は事業戦略や顧客特性とプライシングにもよる

<広告によりみるべき指標>

■顧客獲得単価 -1人の顧客を獲得するにあたりかかったコスト(他媒体からの獲得費用と比較検討し、広告費用投下の最適化に重要な指標)

■累積損益 -広告を掲載した期間、最終的に「売上ー広告費」がプラスになったのか、広告は成果が上がるまでに時間がかかるケースもあるので単月だけなく累積で見るのも重要

<自社サービスとの照らし合わせる指標>

■平均LTV*と広告獲得経由LTV* ー広告と平均との乖離で顧客特性を知り広告での獲得する価値を評価
*LTV(Life Time Value)生涯顧客価値:端的に言うと「どれだけお金を落としてくれるか」

■新規獲得の費用対効果 -新規一人獲得するのにかかったコストそしてその新規顧客からの売上

上記を踏まえた増えで実際に結論となる「HPB集客力」に対して、その「集客に対して上がったすべての売上(LTV)」がどのくらいの効果を出していたのかという点に関して検証をした内容となります。

結論:累積赤字で投資は失敗

今回の検証結果において、累積損益額 -216,800円 という結果に終わりました。これは概算であって、「クレジットカード決済分の手数料」「HPBに支払うべきポイント2%分の費用」は含んでいません。また「時間当たり地代・家賃」「人件費」も含んでいませんので、もしそれらを加味した場合は赤字額はもっと大きなものとなります。

以下が実際の数字と新規予約とその新規顧客あたりLTVです。

HPB掲載費用帯効果_3-5月

HPB掲載費用対効果_6-8月

HPB掲載費用対効果_9-11月

HPB掲載費用対効果_12-2月

顧客平均獲得単価 13,984円
ROI(Return on Investment)投資対効果 -33% (100%で損益ゼロ)

結論としては、投資したが、純粋に大赤字という結果でした。

なぜ投資判断を誤ったか

投資判断根拠として、営業に言われていた

「ライトSプランなら毎月10-15件、多いところは20件の新規予約が獲得できますよ」

これを主な意思決定要素としたのが誤りでした。

新規の初回訪問売上=月の広告費用

これを理想とし、実際はもう少なく見積もり

「新規獲得数は4-8件でも十分ペイする」

と踏んでいました。

根拠としては、他クーポンサイト経由での顧客獲得で4-5人に1人はLTVが5万を超えるという計算からでした。(Groupon、LUXA掲載による実データに基づくもの。通常はクーポンサイト経由だと10人に1人くらいがリピートのようです)

■想定とのズレ① 予約件数の誤認

以下の数字で単純に計算すると、1店あたり、821.7件の予約、月当たり予約数68.5件というのがリラク・エステサロン当たりの予約数となります。

リラク・エステ 47830店 年間ネット予約数 3930万件
※リクルート公表値

これは平均なので中央にあたり投資額(一番低いプラン)あたりの送客と換算すると、それでも10件くらいは妥当な数字、順調に差別化できれば20-30件という数字となるという算段でした。「予約件数=純粋にHPBからの売上」という誤った認識が投資判断を誤らせました。

この予約数というのが契約する前の人からするとわかりにくいのですが、予約数というのは「すべてHPBシステムを経由しての予約数」であり、実は予約の導線や予約システムとしてHPBを利用している場合、「SEO集客」「広告運用による予約獲得」「既存顧客のリピート予約」などすべて含んだ予約件数であり、メディアの集客力とは関係ありそうで実はあまりそこまで強い相関はありません。(もちろん予約システムとして普及させる、莫大なユーザーを既存の顧客経由からも獲得できる仕組みとした企業としての力は強いことは示唆)

■想定とのズレ② ユーザーの利用パターン、客質の把握不足

新宿という土地で掲載したということから下記のようなユーザー特性があることの認識が甘かったです。

・たくさんの競合が毎月新規掲載するので「新規限定価格」だけで周遊するユーザーが多い

・新宿という土地柄、他府県から「出張」できた際に安く受けるという目的のユーザーが多い

・新規限定でかなり安い価格で乱立しているので、そもそも安い金額でないと受けないユーザーも多くリピートが発生しにくい

・定期的なボディメンテナンスを必要とする、40-60代は取り込めていなく、20-30代が中心、40代はごく一部

上記が実際に客質としてあまり優れていないと思いました。

実際の数字としては月平均3.9件の送客、そのうち、平均すると1件多い時は2件が東京から100km以上離れているところからの来店でした。

客層が若く、学生も多く取り込めているのはメディアとしては長期にわたり資産となりHPB側にはとても意味のあることになりますが、メディアに広告として掲載した場合、水ものの集客としては定期的なメンテナンスが必要な方の方が大きなお金を落としてくれる方は少ないので経営上の難しさを感じました。(低価格が売りのリラクサロン、ヘアカットで定期的に切るということで顧客として確保できるヘアサロンとしては長期にわたって付き合うということから学生の獲得には大きな意味を持ちます)

<土地柄の特性を差し引き効果が出やすいケース>
・上位プラン掲載が少ないエリア
・ターミナル駅、観光地などでない
・熾烈な価格競争が起きていない

想定とのズレ③ 意外に手がとられる

HPBでちゃんと注目してもらうようにするためには
・サロン文言の定期的なチェック
・ターゲット毎のクーポン設定
・予約システムの更新(マスター予約表との照らし合わせ)
・ブログの定期更新
・写真の定期UP

など結構作業が必要で、担当する人は工数がとられます。

リラクサロンにおいては、「ただ掲載するだけで集客できるほどの集客力がない」という事実があり、「明確に差別化をする」「定期的に情報を届ける必要がある」などがあり、思った以上に工数がとられます。そしてうまく合わないと、工数の割に広告費の割に集客が低いというのがかなりの難点です。

契約を辞めた後のオペレーションで顧客に迷惑はかかる?

結論、全く問題ありません。顧客に迷惑はかからず、ためらうことなく有料掲載を停止できます。

いわゆる、広告媒体などをしているところで注意しなければならないのが、広告やプラットフォーム運営企業が「やめられないために」ということで、「顧客に迷惑がかかる」「オーナー側にめんどくさい手続きがある」「オーナー側に金銭的な不利益があるようにされている」などがあったりしますが、HPBの場合はそのようなことはありません。

しかも辞めた後も「無料掲載」として「メニューやサロン紹介」そして「予約システム」を継続して使うことができます。「HPB経由で引き続き予約をしたい」という顧客はそのまま予約ができますし、やめることでの不利益はあまりないようにされています。(予約の導線を引き続きHPBにしてもらっていると、システム利用にはコストがかかっていないが、今までリクルートアカウントがなかった人も予約のためにアカウントを作ってくれて、プラットフォーム上の会員数の開拓にも一役かってくれるため、会員が増えるとメディアとしてのプラットフォームとしての価値があがるので引き続き利用させることには経済的なメリットがある)

EPARKなどは掲載契約期間の3か月前の1か月間のみに解約を受付それ以降は更新料を取るなどとしており、直前でやめることができませんが、HPBは直前にやめるという選択が簡単に取れます。(EPARKはクレジットカード決済システムなどもここに利用していると受けれる%の割引なども廃止にして経済的なデメリットを提示することで抜けにくい工夫をしています)

HPBは「クーポン設定」こそがとても重要

メガメディアで、かなりの多くのサロンが掲載されているHPBにおいて、実際にユーザーに選んでもらい、来店してもらうためには戦略的なクーポンの設定がとても重要です。

いわゆるペルソナ設定のように

・どの年代の
・どのような悩みを持つ人に
・何を訴求するのか

ということがとても重要です。

クーポンという特性上、「金額」がとても重要であることは言うまでもない、圧倒的なインパクトを持つ要素の一つではありますが、顧客獲得数が至上とするのか、その後のLTV(生涯顧客価値)を最大化するのかということで、必ずしも低価格でどんどん獲得するのが店舗の経営戦略上最適であるとは限りません。

しかし、ただ高め強気の金額で設定した場合そもそも月間の集客数が0件となっては元も子もありません。

媒体を利用している人がどのような層が多く(エリアによる異なるので検証は必須)、どうすることが一番顧客価値の最大化ができるのかという点を日々、検証・改善というプロセスが必須です。

「集客してリピートさせるまでの戦略」や「来てもらった方からの紹介スキーム」というところをしっかりと作りこむことも集客サイトを使う以外にとても重要です。

HPBと関係なく使えるリピート戦略 一部紹介

集客してからリピートさせるまでには例えば、1回目から2回目までのリピートが一番のレバレッジポイント(大きな改善点)となるのであれば2回目まで、初回限定価格と同じような形を提案することで、来てもらうことで信頼関係を構築し、そこからより利益の取れるバックエンドを紹介するという作戦も重要です。

ラポール構築、単純接触効果という言葉も聞いたことがあるかもしれませんが、会う頻度を上げることで、親密度を上げることで、伝えたい内容がしっかりと伝わり、顧客のためになる提案をしっかりと受け取ってもらうことができるかもしれません。

その親密度を上げることの価値は2-3回目の単回の利益を削る以上に効果が高いことはとても多くあります。

単純接触効果をあげるためには単に会う回数だけでなく、
・Email
・LINEでのコンタクト
・Youtubeなどでの動画によるコンタクト
・音声によるコンタクト
などを多く実践しておくことでも代替ができます。

この効果のある度合に関してもターゲットとしている層によりアプローチ方法は違ってくるので、うまく戦略を組みあわせることで効果は最大化ができます。(これらの方法はHPB媒体によらず、すべてにおいて実行すると効果が高いです。リーチしているユーザーなどは媒体によっても違うので、「媒体毎」「年齢性別毎」に打ち手を変えるのもとても有効)

もちろん2重価格、顧客毎に価格を変えると、顧客信頼を落とすことのないよう、見せ方や情報の取捨選択ということで紹介をするなどで工夫をして提供していきましょう。

HPBは美容院業界においてはやはり強力な集客ツールであることは間違いなさそう

ヘアサロン 41,966店 年間ネット予約件数 6246万件
リラク・エステ 47830店 年間ネット予約数 3930万件

掲載店舗数はヘアサロンの方が掲載店数が12.3%少なく、年間ネット予約件数は58.9%も予約数が多いです。

1店舗当たりの予約数比較をすると、

・ヘアサロン 1488件/店 1カ月当たり 124件
・リラク・エステ 822件/店 1カ月あたり 68件

と約2倍くらいの効果の違いがあり、また来店頻度という観点からすると、ヘアサロンは月に1回くらいが多いのに対し、リラク・エステサロンの方はもっと頻度が高いのが通常です。

つまり、掲載金額同じであるので、HPBは「ヘアサロンの方がざっくり2倍以上掲載コスパがいい」ということになります。

最後に

この記事はHPBの媒体をディスる目的で作成したわけではなく、大きな投資をする前の1材料として、もし本当に自社のサービスがこの媒体とマッチするのかという判断材料の一つとなることを目的として紹介しています。

自分が「広告掲載をする前にどうしても知っておきたかった情報」としてこちらに紹介させていただきました。

誤字や一部よりわかりやすい表現などがあった場合は都度改変していきます。

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