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ワンクリック詐欺とは?動画再生や年齢確認で突然請求される手口
「動画をクリックしたら“登録完了しました”と表示され、料金請求が来た」
「“あなたのIPアドレスを記録しました”と脅されて不安に…」
そんな経験はありませんか?
これがいわゆるワンクリック詐欺。
主にアダルトサイトや無料動画サイトなどを装い、「クリック=契約成立」と見せかけて金銭を要求してくる悪質な詐欺行為です。
実際には、法的な契約は成立しておらず、支払う義務も一切ありません。
クリック1つで「契約成立」と表示されるのはなぜ?
詐欺サイトでは、以下のような流れでユーザーを騙そうとします。
- 「18歳以上ですか?」「動画を見るには同意してください」などの画面が表示される
- 同意や再生ボタンを押すと、「有料登録が完了しました」「契約成立」などのメッセージが表示される
- 「〇日以内に支払わないと法的手続きを取ります」といった脅迫文が表示され、銀行口座や支払い先が提示される
- ユーザーのIPアドレス・OS情報・端末情報などが一緒に表示されて「特定済み」と錯覚させる
このように心理的な不安を煽ることで、支払いに応じさせるのがワンクリック詐欺の典型です。
法的には“契約は成立していない”
インターネット上の契約には、「利用規約への明示的な同意」や「利用者の意思確認」が必要です。
クリックだけで一方的に「有料契約が成立しました」と表示されても、以下のような理由で法的効力は認められません。
- 利用料金や契約内容の明示がなかった
- 本人確認が行われていない(氏名・住所の入力がない)
- クーリングオフや解約方法の案内がない
- 電子消費者契約法に反している
よって、請求されても無視で問題ありません。
よくある脅し文句とその真実
「IPアドレスを記録しました。支払わないと訴訟します」
→ IPアドレスだけでは個人の特定は不可能です。プロバイダ経由で照会が必要ですが、裁判所の命令がなければ開示されません。
「〇日以内に払わないと法的手続きを取る」
→ 通常、法的手続きには本名・住所・契約の証拠が必要です。クリックだけで訴訟されることはあり得ません。
「スマホのカメラで顔を記録しました」
→ ブラウザ経由でカメラを起動するには明示的な許可が必要。勝手に録画されることはありません。
それでも不安…そんな時の対応方法
詐欺とわかっていても、「何かあったら怖い」と感じてしまうのは自然なことです。
以下のような対応をしておけば、安心です。
1. 請求画面を閉じる/履歴削除を行う
- ブラウザを閉じてキャッシュ・履歴を削除
- 不要な通知許可やポップアップ設定をリセット
2. 請求先に絶対に連絡しない
- メール、電話、LINE、SMSなどに絶対に応じない
- 一度でも連絡してしまうと、「反応する人」としてターゲットにされる
3. セキュリティソフトで端末をスキャン
- 不安な場合はマルウェアチェックやウイルススキャンを行い、念のための対策を
4. 家族や知人、消費生活センターに相談
- 高齢者や未成年など、詐欺に慣れていない層はすぐに周囲へ相談を
- 「消費者ホットライン」188番(局番なし)で地域の消費生活センターにつながります
ワンクリック詐欺に遭わないための予防策
- 怪しいサイトにはアクセスしない(特に「無料」「限定」などの過剰な誘い文句に注意)
- 「〇〇に同意する」「再生する」などのボタンを安易に押さない
- ブラウザのセキュリティ設定を強化する(ポップアップブロック、JavaScript制限など)
- 家族に情報共有し、被害に遭いやすい高齢者に注意を促す
まとめ:絶対に支払う必要なし!落ち着いて対応を
ワンクリック詐欺は、「クリック=契約」というウソの演出であなたの不安をあおり、支払いを迫る詐欺行為です。
- クリックだけで契約は成立しない
- IPアドレスでは個人は特定されない
- 支払いや連絡は絶対にしてはいけない
不安を感じたら、まずは深呼吸して冷静に行動しましょう。
そして、消費生活センターへの相談や端末の確認を忘れずに行えば、安全は保たれます。