【マッチングアプリ詐欺の実態】恋愛感情を利用した“ロマンス詐欺”から身を守るには?

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「あなたのことが本気で好き」「結婚を考えています」――
そんな甘い言葉の裏で、実際にはあなたのお金を狙って近づいてくる詐欺師が急増しています。特にマッチングアプリやSNSを利用した**恋愛詐欺(ロマンス詐欺)**は、国際的な詐欺グループによる犯行も多く、年齢・性別問わず被害が広がっています。

この記事では、ロマンス詐欺の実態から典型的な流れ、被害に遭った場合の対処法、安全にアプリを使うための心構えまで、徹底的に解説します。


Contents

恋愛詐欺(ロマンス詐欺)とは?

ロマンス詐欺とは、主にインターネット上で知り合った相手に対し恋愛感情を装って信頼関係を築き、最終的に金銭をだまし取る詐欺行為のことです。

▼ 主な特徴

  • 出会いはマッチングアプリ、SNS、国際交流サイトなど
  • 話し方が丁寧で、異性として理想的な人物を演出
  • 一定期間は毎日のように連絡を取り「愛している」「結婚を考えている」と言う
  • 信頼関係ができた後に金銭の要求(投資、病気、事故、ビザ費用など)

恋愛感情という「最も強い人間関係」を利用するため、被害者が気付きにくく、被害金額が大きくなりやすいのが特徴です。


マッチングアプリで増える詐欺の特徴

マッチングアプリや出会い系サイトは、本来恋人やパートナー探しの場ですが、近年では詐欺グループの温床にもなっています。

▼ マッチングアプリ詐欺の典型的なパターン

  1. プロフィールは「外国人」または「高収入・高ステータス」
     例:海外駐在の医師/投資家/軍人/外交官/起業家
  2. 登録後、すぐに「真剣な交際を考えています」とアプローチ
  3. 連絡先をアプリ外(LINE・WhatsAppなど)に移行
  4. 一定期間“恋人関係”を築き、悩み相談や将来の夢を語る
  5. 「一緒にビジネスをしないか」「資金援助をお願いしたい」と金銭を要求

また最近では、「仮想通貨投資に興味ない?」「私のやり方教えてあげる」など、恋愛+投資を融合したハイブリッド型詐欺も急増しています。


「投資をすすめられた」「送金をお願いされた」体験談

ロマンス詐欺の被害者は、恋愛感情と信頼関係があるがゆえに「自分が騙されている」という認識を持てず、被害が深刻化しがちです。以下は実際の体験談です。

● 事例1:仮想通貨投資をすすめられた(30代・女性)

マッチングアプリで知り合った外国人男性から「仮想通貨で副収入を得ている」と聞き、興味を持ちました。簡単なアプリ操作を教えてもらい、10万円を指定の口座に入金。アプリ上では資産が増えていく様子が見えましたが、出金しようとしたら「税金がかかる」とさらに20万円を要求され、最終的に連絡が途絶えました。

● 事例2:「海外から会いに行くためのビザ代」と言われた(50代・男性)

台湾在住という女性と知り合い、毎日LINEでやり取り。とても信頼していたので、「ビザ申請に5万円が必要」と言われたときも疑いませんでした。振り込んだ直後に「今度は航空券代が足りない」と追加請求され、合計20万円を送った後にブロックされました。


外国人からの甘い言葉に注意!翻訳アプリを利用した会話も…

特に注意したいのが、外国人を装ったロマンス詐欺です。最近の詐欺は翻訳ツールの進化により、流暢な日本語でスムーズな会話が成立するため、相手が詐欺師だと見抜くことが難しくなっています。

▼ 外国人を装う理由

  • 「距離があるからすぐに会えない」=金銭要求の理由に使える
  • 「国際送金」などを通じて詐欺の痕跡を残しづらい
  • 情報が少ないため身元確認が難しい

▼ 詐欺師がよく使うセリフ

  • 「君と運命的な出会いをした気がする」
  • 「ビジネスで日本に行く予定がある」
  • 「信じてくれてありがとう。君を一生大切にする」
  • 「私の投資アプリを使えば、あなたも人生が変わる」

どれだけ会話が自然でも、**「一度も会っていない人にお金を送るのは絶対にやってはいけない行為」**と覚えておいてください。


送金してしまった場合の被害回復の可能性

万が一、相手にお金を送ってしまった場合、一刻も早く対応を始めることが重要です。

▼ 被害回復のための行動フロー

  1. 振込先の金融機関に即連絡し、口座凍結依頼を出す
     → 可能性があれば送金停止措置が取られる
  2. 警察に被害届を提出
     → 相手とのやり取り・送金履歴・会話ログを証拠として提出
  3. 消費生活センター(188)に相談
     → 法的・行政的アドバイスが受けられる
  4. 弁護士に相談する(場合によっては国際案件に強い専門家)
     → 特に海外送金が関わる場合はプロの助力が必要

なお、仮想通貨など匿名性が高い送金手段を使っていた場合、返金はほぼ不可能なことが多いです。


安全にアプリを使うために必要な心構え

マッチングアプリは、本来であれば素敵な出会いを見つけるためのツールです。詐欺に怯えるばかりでなく、正しいリテラシーを持って使うことが重要です。

▼ 安全に使うための7つの心得

  1. すぐに連絡先をアプリ外に移さない
  2. 会ってもいない相手の話を鵜呑みにしない
  3. お金の話題が出た時点で警戒する
  4. プロフィール画像がやたら整いすぎていたら逆に疑う
  5. LINE交換後のやり取りはスクショで保存する
  6. 「この人本当に大丈夫かな」と思ったら友人や家族に相談
  7. 身元確認やビデオ通話を嫌がる相手とは距離を取る

また、アプリを選ぶ際は運営会社の規模・通報制度・本人確認の有無も確認しておきましょう。


通報・ブロック・警察相談の正しい流れ

「怪しい」と思った時点で、迷わず行動を起こすことが、被害拡大を防ぐ最善の手段です。

▼ 対応のステップ

  1. アプリ上で相手を通報・ブロックする
     → 多くのアプリには通報機能がある
  2. やり取りの履歴・送金情報・アカウント情報を保全する
  3. 最寄りの警察署へ行き、詐欺被害の相談を行う
     → スマホ画面やメッセージのコピーを持参
  4. 消費者ホットライン(188)や法テラスに相談する
     → 法的措置や返金対応の相談先

被害届を出すことで、金融機関との連携・犯人追跡・再発防止のデータ提供に役立ちます。感情的にならず、事実を淡々と伝える姿勢が大切です。


まとめ:恋愛感情と金銭要求は、絶対に切り分けて考える

ロマンス詐欺は、最初から「騙してやろう」と思って近づいてくる者と、「愛されたい」と願う人との間で成立します。だからこそ、被害者は自分を責めるのではなく、詐欺の手口を知ることが何よりの防御策になります。

✅ ロマンス詐欺から身を守る3つの鉄則

  1. 会ったことのない人にお金は絶対に渡さない
  2. 恋愛感情と金銭話が同時に出たら、100%詐欺と疑う
  3. 第三者(家族・友人・警察)に相談する勇気を持つ

甘い言葉は、裏で誰かの財布を狙っているかもしれません。出会いを楽しむためにも、“冷静な目”と“知識の盾”を手に入れましょう。

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