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宅配便を装った「不在通知詐欺」が急増中
スマートフォンやポストに届く「不在通知」。これを悪用した詐欺が全国で急増しています。見た目は本物そっくりの不在票やSMS、メールが届き、「再配達はこちらから」と記載されたリンクをクリックさせるのが手口です。
現代ではネット通販の利用が当たり前となり、ほぼ毎日のように何らかの配達がある人も多いため、「これは自分宛の荷物だろう」と信じてしまいやすい心理が、詐欺に利用されているのです。
不在通知を装う詐欺の代表的な形式
不在票詐欺には大きく分けて3つの形式があります。
- 郵便受けに入っている偽造不在票
本物そっくりのレイアウト・ロゴを使用し、電話番号やQRコードで偽のコールセンターやサイトへ誘導。 - SMSで届く「再配達依頼」リンク
「お荷物のお届けに伺いました」「再配達はこちらから」などのメッセージが届き、リンクをクリックさせます。 - メールでの偽通知
大手宅配業者(佐川急便、ヤマト運輸、日本郵便など)を名乗り、HTMLメールで本物そっくりのデザインを送ってきます。
どの形式も「再配達手続き」の名目で個人情報入力を促し、住所・電話番号・クレジットカード番号などを盗むのが目的です。
「URLをクリック→アプリインストール」で乗っ取り被害も
中でも深刻なのが、SMSからの誘導リンクです。Androidユーザーの場合、リンク先から偽の宅配業者アプリをインストールさせ、端末を遠隔操作できるようにされてしまう被害も報告されています。
インストールされたアプリには以下のような危険性があります。
- スマホ内の通話履歴やSMSを読み取られる
- 金融アプリや暗証番号が盗まれる
- スマホを完全に乗っ取られ、知らぬ間に送金やローン契約がされる
このように、「不在票ひとつ」で個人の財産が奪われかねないのが、現代の巧妙なサイバー詐欺です。
宅配業者は不在票やSMSで“絶対にしないこと”
本物の宅配業者は、以下のような行為は一切行いません。
- SMSでURLを送る
- アプリをダウンロードさせる
- クレジットカード番号を入力させる
- 再配達時に事前に個人情報の入力を求める
これらが求められた時点で、ほぼ間違いなく詐欺です。少しでも不審に思ったら、公式サイトや配達伝票に記載の正規番号に連絡し、確認することが最も安全です。
不在票詐欺で実際にあった被害事例
事例1:知らぬ間にローン契約
不審な不在通知SMSからアプリをインストールしてしまい、スマホが乗っ取られた男性。金融系アプリから勝手に高額のローンが組まれ、本人が気づいた時には口座から数十万円が引き落とされていました。
事例2:クレジットカード情報を入力
再配達受付と信じ、カード情報を入力してしまった女性。すぐに不正利用され、複数の海外サイトから不審な請求が届きました。
こうした被害は一度発生すると取り返しがつかないことが多く、被害届や金融機関への対応が必要になります。
被害に遭ってしまったときの対処法
不在票詐欺に引っかかってしまったと気づいたら、すぐに以下の対応を行いましょう。
- 入力した情報(カード・口座など)を即座に停止・変更
- スマートフォンのセキュリティソフトでスキャンし、怪しいアプリは削除
- 最寄りの警察に被害届を提出
- 消費者ホットライン(188)への相談も推奨
また、メールやSMSの内容は削除せず、証拠としてスクリーンショット保存しておくと、捜査・相談時に役立ちます。
自分を守るためのチェックリスト
以下のような習慣を持っておくことで、不在票詐欺を予防できます。
- ✅ 荷物の追跡は公式サイトの「伝票番号」から行う
- ✅ 宅配業者のアプリは、Google PlayやApp Storeからのみダウンロードする
- ✅ 不審なSMSやメールのURLは絶対にクリックしない
- ✅ アプリのインストール時は「提供元不明」をオフにする
- ✅ 端末のセキュリティ対策(ウイルス対策アプリ導入)を徹底する