「寄付をしたいけれど、税金のことを考えると躊躇してしまう」「チャイルド・スポンサーシップに興味はあるけれど、家計への負担が心配」そんな声をよく耳にします。しかし実は、認定NPO法人への寄付は税制上の優遇措置があり、「寄付は損」という考えは必ずしも正しくありません。
特に、世界の子どもたちを支援するワールド・ビジョン・ジャパンのチャイルド・スポンサーシップは、月々4,500円という継続的な支援でありながら、寄付金控除によって実質的な負担を軽減できる制度が整っています。本記事では、寄付金控除の仕組みから具体的な計算方法、手続きの流れまで、わかりやすく解説していきます。
Contents
NPOへの寄付で控除が受けられるって本当?
寄付金控除制度の基本的な仕組み
日本の税制では、一定の条件を満たした団体への寄付について、所得税や住民税から控除を受けることができる制度が設けられています。これを「寄付金控除」と呼び、寄付者の税負担を軽減することで、民間の公益活動を促進することを目的としています。
寄付金控除が適用される団体は限られており、主に以下のような組織が対象となります:
- 国や地方公共団体
- 認定NPO法人・特例認定NPO法人
- 公益社団法人・公益財団法人
- 学校法人
- 社会福祉法人
- 独立行政法人
この中でも、認定NPO法人は特に優遇措置が手厚く設計されており、個人の寄付者にとって大きなメリットがあります。
認定NPO法人制度とは
認定NPO法人とは、NPO法人の中でも特に公益性が高く、運営が適正であると認められた法人に与えられる資格です。所轄庁(都道府県や政令指定都市)による厳格な審査を経て認定されるため、寄付者にとっては信頼性の高い寄付先として位置づけられています。
認定NPO法人になるためには、以下のような要件を満たす必要があります:
パブリックサポートテスト: 広く一般からの支援を受けていることを証明する必要があります。具体的には、寄付金収入が総収入の一定割合以上を占めていることや、寄付者数が一定数以上いることなどが求められます。
事業活動の適正性: 法令に違反していないこと、適正な会計処理を行っていることなどが審査されます。
情報公開の適切性: 事業報告書や会計報告書などを適切に公開していることが求められます。
その他の要件: 役員の構成や利害関係者との取引についても一定の制限があります。
これらの厳格な要件をクリアした認定NPO法人への寄付には、税制上の特別な優遇措置が適用されるのです。
寄付金控除の2つの選択肢
認定NPO法人への寄付については、寄付者は以下の2つの控除方式から有利な方を選択することができます:
所得控除方式: 寄付金額から2,000円を差し引いた金額を所得から控除する方式です。この場合、寄付者の所得税率に応じて税額が軽減されます。
税額控除方式: 寄付金額から2,000円を差し引いた金額の40%を所得税額から直接控除する方式です。こちらは所得税率に関係なく、一律40%の控除率が適用されます。
一般的に、所得税率が高い高所得者の場合は所得控除が有利になることが多く、中程度の所得の方には税額控除が有利になるケースが多いとされています。
住民税の控除も併用可能
所得税の控除に加えて、都道府県・市区町村が条例で指定した認定NPO法人への寄付については、住民税からも控除を受けることができます。控除率は都道府県民税が4%、市区町村民税が6%の合計10%です。
ただし、住民税の寄付金控除を受けるためには、寄付先の団体が居住地の自治体によって指定されている必要があります。多くの自治体でワールド・ビジョン・ジャパンは指定団体となっていますが、念のため確認することをお勧めします。
寄付金控除とふるさと納税の違い
ふるさと納税との根本的な違い
寄付金控除制度について語る際、しばしば比較されるのがふるさと納税です。どちらも寄付に対する税制優遇措置という点では共通していますが、その目的や仕組みには大きな違いがあります。
ふるさと納税は、地方創生を目的とした制度で、自分の出身地や応援したい自治体に寄付することで、寄付額のうち2,000円を超える部分について所得税・住民税から控除を受けることができます。多くの場合、寄付額の約3割に相当する返礼品を受け取ることができるため、実質的には2,000円の負担で返礼品を購入するような感覚で利用されています。
一方、認定NPO法人への寄付金控除は、純粋に公益活動を支援することを目的としており、返礼品はありません。その代わり、控除率や控除限度額の面でより有利な条件が設定されています。
控除限度額の比較
ふるさと納税の控除限度額は、年収や家族構成によって決まりますが、一般的には年収の15-20%程度が上限となります。これに対して、認定NPO法人への寄付金控除には、より高い限度額が設定されています。
所得控除方式を選択した場合、寄付金控除の限度額は総所得金額等の40%です。税額控除方式を選択した場合は、総所得金額等の40%または所得税額の25%のいずれか低い方が限度額となります。
この違いにより、高額な寄付を行いたい場合には、認定NPO法人への寄付の方がより多くの控除を受けることができる可能性があります。
併用は可能?
ふるさと納税と認定NPO法人への寄付金控除は、それぞれ独立した制度であるため、同一年度内に両方を利用することが可能です。ただし、それぞれに控除限度額があるため、総合的な税務計画を立てることが重要です。
特に注意すべきは、ふるさと納税のワンストップ特例制度を利用している場合です。この制度を利用すると確定申告が不要になりますが、認定NPO法人への寄付金控除を受ける場合は確定申告が必要となるため、ワンストップ特例の適用を受けることができなくなります。
社会的意義の違い
制度面での違いに加えて、社会的な意義という観点からも両者は異なります。ふるさと納税は主に国内の地域振興を目的としており、返礼品競争の過熱などが社会問題となることもあります。
一方、ワールド・ビジョン・ジャパンのチャイルド・スポンサーシップのような国際協力分野への寄付は、世界の貧困問題や子どもの権利といったグローバルな課題に取り組むものです。SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた取り組みでもあり、より長期的で根本的な社会変革を目指しています。
どちらの制度を利用するかは個人の価値観や優先順位によりますが、税制上の優遇措置を活用しながら社会貢献を行うという点では、両方とも有意義な選択肢といえるでしょう。
実際にいくら戻ってくるのか?
年収別の具体的な計算例
寄付金控除の実際の効果を理解するために、年収別の具体的な計算例を見てみましょう。ここでは、ワールド・ビジョン・ジャパンのチャイルド・スポンサーシップの年間支援額54,000円(月4,500円×12ヶ月)を寄付した場合を想定します。
年収400万円の会社員の場合
所得税率10%、住民税率10%として計算します。
税額控除方式を選択した場合:
- 所得税控除額:(54,000円 – 2,000円) × 40% = 20,800円
- 住民税控除額:(54,000円 – 2,000円) × 10% = 5,200円
- 合計控除額:26,000円
- 実質負担額:54,000円 – 26,000円 = 28,000円
所得控除方式を選択した場合:
- 所得税軽減額:(54,000円 – 2,000円) × 10% = 5,200円
- 住民税軽減額:(54,000円 – 2,000円) × 10% = 5,200円
- 合計軽減額:10,400円
- 実質負担額:54,000円 – 10,400円 = 43,600円
この場合、税額控除方式の方が有利となります。
年収600万円の会社員の場合
所得税率20%、住民税率10%として計算します。
税額控除方式を選択した場合:
- 所得税控除額:(54,000円 – 2,000円) × 40% = 20,800円
- 住民税控除額:(54,000円 – 2,000円) × 10% = 5,200円
- 合計控除額:26,000円
- 実質負担額:28,000円
所得控除方式を選択した場合:
- 所得税軽減額:(54,000円 – 2,000円) × 20% = 10,400円
- 住民税軽減額:(54,000円 – 2,000円) × 10% = 5,200円
- 合計軽減額:15,600円
- 実質負担額:38,400円
年収600万円の場合も、税額控除方式の方が有利です。
年収800万円の会社員の場合
所得税率23%、住民税率10%として計算します。
税額控除方式を選択した場合:
- 所得税控除額:20,800円
- 住民税控除額:5,200円
- 合計控除額:26,000円
- 実質負担額:28,000円
所得控除方式を選択した場合:
- 所得税軽減額:(54,000円 – 2,000円) × 23% = 11,960円
- 住民税軽減額:(54,000円 – 2,000円) × 10% = 5,200円
- 合計軽減額:17,160円
- 実質負担額:36,840円
年収800万円でも、まだ税額控除方式の方が有利です。
高額寄付の場合の計算例
チャイルド・スポンサーシップ以外に追加で寄付を行った場合や、複数の子どもを支援する場合の計算例も見てみましょう。
年収600万円で年間20万円寄付した場合
税額控除方式:
- 所得税控除額:(200,000円 – 2,000円) × 40% = 79,200円
- 住民税控除額:(200,000円 – 2,000円) × 10% = 19,800円
- 合計控除額:99,000円
- 実質負担額:101,000円
所得控除方式:
- 所得税軽減額:(200,000円 – 2,000円) × 20% = 39,600円
- 住民税軽減額:(200,000円 – 2,000円) × 10% = 19,800円
- 合計軽減額:59,400円
- 実質負担額:140,600円
高額寄付の場合でも、中程度の所得層では税額控除方式が有利になることがわかります。
控除を受けるタイミング
寄付金控除による税金の還付や軽減は、寄付を行った翌年に受けることができます。具体的なタイミングは以下の通りです:
所得税: 確定申告後、通常1-2ヶ月程度で指定した銀行口座に還付金が振り込まれます。
住民税: 翌年6月から翌々年5月までの住民税が軽減されます。給与所得者の場合は、毎月の給与から天引きされる住民税額が減額されます。
注意すべきポイント
計算例を見ると非常にお得に感じられる寄付金控除ですが、いくつか注意すべきポイントがあります。
まず、控除には上限があることです。税額控除方式の場合、所得税額の25%が上限となるため、所得税額が少ない場合は満額の控除を受けられない可能性があります。
また、住民税の寄付金控除については、寄付先の団体が居住地の自治体に指定されている必要があります。転居の際は、新しい居住地での指定状況を確認することが大切です。
さらに、寄付金控除を受けるためには確定申告が必要となります。通常確定申告を行っていない給与所得者の場合、この手続きが負担に感じられるかもしれませんが、近年は電子申告システムの普及により、手続きは大幅に簡素化されています。
ワールド・ビジョン・ジャパンは認定NPO
ワールド・ビジョン・ジャパンの認定NPO法人としての歴史
特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパンは、2002年に認定NPO法人の資格を取得し、以来20年以上にわたって日本の寄付者に税制上の優遇措置を提供し続けています。これは、同団体の活動が公益性・透明性・継続性の面で高く評価されていることの証明でもあります。
ワールド・ビジョン・ジャパンは、世界約100カ国で活動する国際NGOワールド・ビジョンの日本事務所として1987年に設立されました。キリスト教精神に基づきながらも、宗教・人種・民族・性別を問わず、すべての子どもたちの健やかな成長を願って活動を続けています。
厳格な財務管理と透明性
認定NPO法人として継続的に認定を受けるためには、毎年厳格な審査をクリアする必要があります。ワールド・ビジョン・ジャパンは、以下のような取り組みを通じて、高い透明性と説明責任を果たしています。
詳細な財務報告: 年次報告書では、収入・支出の詳細な内訳を公開しており、寄付金がどのように使われているかを明確にしています。事業費率(寄付金のうち実際の支援活動に使われる割合)は約80%と、国際的な基準から見ても高い水準を維持しています。
第三者監査: 公認会計士による外部監査を受け、財務諸表の適正性を確保しています。
情報公開: ウェブサイトや年次報告書を通じて、活動内容、財務状況、ガバナンス体制などを積極的に公開しています。
国際的な認証と評価
ワールド・ビジョン・ジャパンは、日本国内の認定NPO法人としての地位に加えて、国際的な評価機関からも高い評価を受けています。
Charity Navigator: アメリカの著名なチャリティ評価機関であるCharity Navigatorから、財務の透明性や説明責任の面で高評価を獲得しています。
GuideStar: 非営利組織の情報提供を行うGuideStar(現在のCandid)からも、透明性の高い組織として認定されています。
ECFA(Evangelical Council for Financial Accountability): キリスト教系の団体に対する財務・倫理面での認証機関であるECFAのメンバーとして、厳格な基準をクリアしています。
チャイルド・スポンサーシップの仕組みと効果
ワールド・ビジョン・ジャパンの代表的なプログラムであるチャイルド・スポンサーシップは、単なる子ども個人への支援ではなく、地域開発プログラム(ADP: Area Development Program)の一環として実施されています。
月々4,500円の支援金は、支援地域全体のインフラ整備、教育環境の改善、保健医療サービスの充実、農業や収入向上支援、災害リスク軽減などの包括的な開発活動に使われます。これにより、一人の子どもだけでなく、その家族、さらには地域全体の生活向上を目指しています。
プログラムの期間は約15年間で、最終的には地域が外部からの支援に依存せずに自立できる状態を目指します。これまでに世界各地で実施されたプログラムの成果として、以下のような実績が報告されています:
- 5歳未満児死亡率の大幅な改善
- 初等教育就学率の向上
- 安全な水へのアクセス改善
- 家計収入の増加
- 女性のエンパワーメント向上
支援者とのコミュニケーション
チャイルド・スポンサーシップでは、支援者と支援を受ける子ども(チャイルド)との間で手紙のやり取りが行われます。これにより、支援者は自分の支援がどのような効果をもたらしているかを具体的に知ることができ、より深い満足感を得ることができます。
また、現地視察ツアーなども定期的に開催されており、希望する支援者は実際に支援地域を訪れ、チャイルドやその家族、地域の人々と直接交流することができます。
緊急支援活動での迅速な対応
ワールド・ビジョン・ジャパンは、平時の開発支援に加えて、自然災害や紛争などの緊急事態における人道支援も積極的に行っています。2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、近年では新型コロナウイルス感染症の影響を受けた地域への支援など、国内外を問わず迅速な対応を行っています。
これらの緊急支援活動も、認定NPO法人としての寄付金控除の対象となっており、支援者にとってはチャイルド・スポンサーシップと同様の税制上の優遇措置を受けることができます。
手続きの方法と確定申告の流れ
寄付金控除を受けるための基本的な流れ
寄付金控除を受けるためには、以下の手順を踏む必要があります。
- 寄付の実行: ワールド・ビジョン・ジャパンへの寄付を行います
- 寄付金受領証明書の受領: 寄付後に団体から送付される証明書を保管します
- 確定申告書の作成: 翌年の確定申告期間に申告書を作成します
- 必要書類の提出: 税務署への提出または電子申告を行います
- 控除の適用: 所得税の還付や住民税の軽減を受けます
寄付金受領証明書の重要性
寄付金控除を受けるためには、寄付したことを証明する「寄付金受領証明書」が必要です。ワールド・ビジョン・ジャパンでは、寄付を受領後、通常1-2週間程度でこの証明書を発行しています。
証明書には以下の情報が記載されています:
- 寄付者の氏名・住所
- 寄付金額
- 寄付を受領した年月日
- 法人の名称、所在地
- 法人の認定NPO法人としての認定番号
この証明書は確定申告時に提出が必要となるため、大切に保管してください。年間を通じて複数回寄付を行った場合は、年末にその年の寄付総額をまとめた証明書を発行してもらうことも可能です。
確定申告書の作成方法
国税庁の確定申告書等作成コーナーの利用
最も簡単で推奨される方法は、国税庁のウェブサイトにある「確定申告書等作成コーナー」を利用することです。このシステムでは、画面の指示に従って必要事項を入力するだけで、自動的に税額計算が行われ、申告書が作成されます。
寄付金控除を申告する際の手順は以下の通りです:
- 作成コーナーにアクセスし、「所得税」を選択
- 給与所得者の場合は「給与・年金の方」を選択
- 源泉徴収票の内容を入力
- 「所得控除」の項目で「寄附金控除」を選択
- 寄付先として「認定NPO法人等」を選択
- 寄付金額と寄付先の情報を入力
- 控除方式(所得控除または税額控除)を選択
システムが自動的に有利な方の控除額を計算して表示してくれるため、どちらが得かを簡単に比較することができます。
税理士への依頼
税務処理に不安がある場合や、他の所得・控除項目が複雑な場合は、税理士に依頼することも可能です。多くの税理士が確定申告時期には相談を受け付けており、寄付金控除についても適切にアドバイスしてくれます。
税務署での相談
確定申告期間中は、各税務署で申告相談を行っています。書類を持参すれば、職員が申告書の作成をサポートしてくれます。ただし、この時期は非常に混雑するため、事前予約や十分な時間の確保が必要です。
電子申告(e-Tax)の活用
近年、政府はデジタル化推進の一環として電子申告を推奨しています。e-Taxを利用することで、以下のようなメリットがあります:
提出の簡便性: 自宅から24時間いつでも申告書を提出できます。
早期還付: 電子申告の場合、通常の書面申告よりも早く還付金を受け取ることができます。
添付書類の省略: 寄付金受領証明書などの添付書類について、提出に代えて一定期間保存することで済ませることができます(ただし、税務署から求められた場合は提出が必要)。
自動計算: システムが自動的に税額計算を行うため、計算ミスのリスクが軽減されます。
e-Taxを利用するためには、マイナンバーカードとカードリーダー(またはマイナンバーカード対応スマートフォン)が必要です。また、ID・パスワード方式を利用する場合は、事前に税務署でID・パスワードを取得する必要があります。
住民税申告について
所得税の確定申告を行った場合、通常は住民税の申告は不要です。税務署から市区町村に所得等の情報が送られ、自動的に住民税の計算が行われます。
ただし、以下のような場合は、別途住民税の申告が必要になることがあります:
- 所得税の確定申告は不要だが、住民税の寄付金控除のみを受けたい場合
- 居住地の自治体独自の寄付金控除制度を利用したい場合
住民税の寄付金控除については、各市区町村によって対象となる団体や手続きが異なるため、詳細は居住地の自治体にお問い合わせください。
よくある間違いと注意点
控除方式の選択間違い: 所得控除と税額控除の選択を間違えると、受けられる控除額が少なくなってしまいます。申告書作成時に両方を計算し、有利な方を選択してください。
寄付金額の記載間違い: 寄付金受領証明書に記載された金額と申告書の記載額が一致しない場合、控除が受けられない可能性があります。
証明書の紛失: 寄付金受領証明書を紛失した場合は、寄付先の団体に再発行を依頼してください。ただし、再発行には時間がかかる場合があるため、証明書は大切に保管してください。
申告期限の遅れ: 確定申告の期限は通常3月15日です。期限を過ぎても申告は可能ですが、延滞税が発生する場合があります。
確定申告後の流れ
確定申告を提出した後の流れは以下の通りです:
税務署での審査: 提出された申告書は税務署で内容の審査が行われます。
所得税の還付: 還付金がある場合は、通常1-2ヶ月程度で指定した銀行口座に振り込まれます。
住民税への反映: 申告内容は居住地の市区町村に送られ、翌年度の住民税計算に反映されます。
住民税決定通知書の送付: 6月頃に新年度の住民税額を記載した通知書が送付されます。この通知書で寄付金控除が適用されているかを確認できます。
寄付金控除の手続きは複雑に感じられるかもしれませんが、一度経験すれば次年度以降はスムーズに行うことができます。また、国税庁の確定申告書等作成コーナーなどのツールを活用することで、専門知識がなくても適切に申告を行うことができます。
複数年にわたる寄付の管理
チャイルド・スポンサーシップのような継続的な寄付を行う場合、複数年にわたる寄付金の管理が重要になります。以下のポイントに注意してください:
年度ごとの寄付金額の把握: 寄付金控除は年度(1月1日から12月31日)ごとに申告する必要があります。月払いの場合、年度をまたいで支払いが行われるため、どの年度にいくら寄付したかを正確に把握することが重要です。
寄付金受領証明書の整理: 毎年の証明書を年度ごとに整理し、紛失しないよう適切に保管してください。デジタル化して保存することも推奨されます。
寄付方法の変更への対応: 寄付金額の変更や一時停止、再開などを行った場合、それぞれのタイミングでの寄付額を正確に記録しておく必要があります。
まとめ:寄付は社会貢献と節税の両立
寄付金控除制度の本質的な意義
寄付金控除制度は、単なる節税手段ではなく、民間の力を活用して社会課題の解決を促進するための重要な政策ツールです。政府だけでは解決困難な問題に対して、市民一人ひとりが自主的に取り組むことを税制面から支援する仕組みといえます。
ワールド・ビジョン・ジャパンのチャイルド・スポンサーシップは、この制度を活用することで、支援者の経済的負担を軽減しながら、世界の子どもたちの未来を変える取り組みに参加することができる優れた仕組みです。
長期的な視点での社会投資
月々4,500円の支援は、年間では54,000円になります。しかし、寄付金控除を活用することで、実質的な負担は年収400万円の方で28,000円程度となります。これは月額にすると約2,300円程度の負担で、一人の子どもとその地域全体の未来を変えることができる「社会投資」といえるでしょう。
また、この投資は15年という長期間にわたって継続されることで、一時的な支援では実現困難な根本的な変化をもたらします。教育インフラの整備、保健医療システムの構築、農業技術の向上、女性のエンパワーメントなど、多面的なアプローチによる地域開発は、将来にわたって持続的な効果を生み出します。
グローバル社会における責任
現代の世界では、気候変動、貧困、格差、紛争など、一国だけでは解決できない課題が山積しています。これらの課題に対して、先進国に住む私たち一人ひとりができることの一つが、国際協力NGOを通じた支援です。
寄付金控除制度は、こうした国際的な連帯と協力を促進するための仕組みでもあります。税制上の優遇措置を受けながら国際協力に参加することは、決して「お得だから」という理由だけで行うものではありませんが、経済的な負担が軽減されることで、より多くの人が継続的に支援に参加できるようになることは確実です。
次世代への責任
チャイルド・スポンサーシップを通じて支援される子どもたちは、将来その地域のリーダーとなり、次の世代に知識と経験を引き継いでいきます。教育を受けた子どもたちが親となったとき、その子どもたちも教育の重要性を理解し、貧困の世代間継承を断ち切ることができます。
これは単なる支援ではなく、持続可能な社会の構築に向けた長期的な投資です。そして、寄付金控除制度は、こうした長期的な視点に立った社会投資を支援する重要な制度なのです。
個人の価値観と社会貢献の両立
現代社会では、個人の価値観が多様化し、それぞれの人が重要だと考える社会課題も異なります。しかし、寄付金控除制度は、どのような価値観を持つ人でも、自分が重要だと考える課題に対して支援を行いやすくする仕組みです。
子どもの権利、教育の機会均等、貧困の撲滅、平和の構築など、ワールド・ビジョン・ジャパンが取り組む課題に共感する人にとって、チャイルド・スポンサーシップは価値観を実現するための具体的な手段となります。
透明性と説明責任の重要性
寄付金控除制度が健全に機能するためには、寄付を受ける団体の透明性と説明責任が不可欠です。ワールド・ビジョン・ジャパンが認定NPO法人として長年にわたって認定を維持していることは、こうした要件を継続的に満たしていることの証明でもあります。
支援者には、寄付先の団体が適切に資金を使用し、効果的な支援活動を行っているかを確認する責任があります。年次報告書の確認、現地視察への参加、他の支援者との情報交換など、様々な方法で団体の活動を監視することが重要です。
制度の継続的な改善への期待
寄付金控除制度は、社会の変化に応じて継続的に見直しと改善が行われています。近年では、電子申告の普及、手続きの簡素化、控除対象団体の拡大など、寄付者の利便性向上と制度の普及促進が図られています。
今後も、より多くの人が社会貢献活動に参加しやすくなるような制度の改善が期待されます。同時に、寄付者一人ひとりが制度を正しく理解し、適切に活用することも重要です。
最後に:一歩を踏み出すことの意義
「寄付は損じゃない」というこの記事のタイトルは、経済的な損得だけを意味するものではありません。寄付を通じて得られる精神的な満足感、社会とのつながり、世界への貢献感などは、金銭では測れない価値があります。
寄付金控除制度は、こうした価値のある活動を経済的にサポートする仕組みです。制度を理解し、活用することで、より多くの人が持続可能な社会貢献活動に参加できるようになることを願っています。
ワールド・ビジョン・ジャパンのチャイルド・スポンサーシップは、そうした社会貢献活動の一つの選択肢です。月々4,500円という金額は、寄付金控除を活用することで実質的な負担を大幅に軽減できます。しかし、最も重要なのは、その支援が世界のどこかにいる一人の子どもとその家族、そして地域全体の未来を変える力を持っているということです。
一歩を踏み出すことで、あなた自身の人生も、そして世界も、少しずつ変わっていくのです。寄付金控除制度は、その一歩をサポートする重要な制度として、これからも多くの人の社会貢献活動を支えていくことでしょう。
参考情報
- 国税庁「寄附金控除」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1150.htm
- ワールド・ビジョン・ジャパン公式サイト: https://www.worldvision.jp/
- 内閣府NPOホームページ「認定NPO法人制度」
- 各市区町村の住民税寄付金控除に関する情報
※本記事の税額計算例は一般的なケースを想定したものです。実際の控除額は個人の所得状況や家族構成等により異なります。具体的な税額については、税理士や税務署にご相談ください。
※制度の詳細や手続きについては、国税庁や各自治体の最新情報をご確認ください。
▼チャイルド・スポンサーシップの詳細はこちら
【NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン公式ページ】あなたの支援が未来を変える:チャイルド・スポンサーシップ